自分で習字のお手本を用意する方法。気軽に習字を楽しみ、上達へ。

「習字を独学で勉強したい」、「気が向いたときに少しだけ書いて練習したい」、「書きたい言葉があるからそれを習字で書きたい」・・・そんな時にまず必要となるものは最低限の道具一式と『お手本』です。ここではそのお手本の用意の仕方と、上達方法について書いていきます。 

 

まず、お手本は絶対に必要なものです。お手本(自分より優れた字、立派な字)を見て練習するからこそ上達があります。お手本の必要性については特に疑問はないと思います。

 

そこで問題なのは、どうやって入手すれば良いかです。

 

・本屋の「美文字コーナー」をざっと見渡しても、どれが良いかわからない・・・

・ネットで無料で調達したいが、上手いと思える手本がない・・・

・習字教室に行く時間も気力もないし、そもそも、どの教室の先生が優れているかわからない・・・

・どうせ練習するなら、自分の書きたい言葉の手本で練習したい・・・ 

 

このように、気軽に良い手本を手に入れるというのは意外と悩ましい問題ではないでしょうか。 しかし、ご安心ください。優れた手本が、身近にあるのです。

 

ずばり、パソコンの楷書体フォントを手本にする!

楷書フォントは大変優れていて、完成度が高い楷書なので、立派に手本として活用できます。始筆の形、終筆の形、ハネの形、払いの形、折れの形、どこを見てもしっかりと正しい形で書いてあるので、習字のお手本としては、ある意味完璧です。

 

windowsのパソコンにたいてい初めから入っているものならば、「教科書体」や「正楷書体」というフォントが良いと思います。

(私のパソコンに初めから入っていたフォントの中では、まともな楷書体はこの2つでした。あなたのパソコンにもっと美しいと思えるフォントが入っていれば、それをご選択ください。)

 

 

ちなみに、書道の立場から理想を言うならば、「古典の文字(大昔に書かれた名筆)を手本にしましょう」となるのですが、そこまで本格的なことは望んでいない方が、気軽に、効率的に日常書く文字を美しく整った字にするための方法としては、楷書フォントの活用がおすすめです。

早速、手本を準備してみる

ワードソフトなどで、手本にしたい文言を打ち込み、フォントのサイズを例えば「300」とかに設定してプリントアウトすれば、立派なお手本の出来上がりです。簡単すぎてすみません。

なお、プリンターが無ければモニターを見ながらでも十分です。

 

教科書体なら・・・

正楷書体なら

フォントの字形をより美しくする方法

上で、楷書フォントは習字のお手本としてはある意味完璧だと申しましたが、より美しくする方法があります。できればこのポイントも頭に入れてからお手本として活用してください。

1.基本的に正方形はダメ。ひし形、長方形、台形などのシルエットにすべし!

フォントの文字は、ほとんど全ての字が正方形にきっちり収まるように作成されているので、均整のとれた読みやすい字です。しかしそのせいで、それぞれの字の特徴を生かした美しさを犠牲にしています。習字の手本にするために作られたものではなく、印刷物などでの読みやすさ・実用性を重視して調整された形なので、少し修正を施すことで、より魅力的な字形になり習字の手本として最適になります。以下に、その修正方法を述べていきます。

 

美しく書くポイント。

●どこか一本(一画)、長~く書く

●扁平に書く

●縦長に書く

●ひし形になるように書く

●台形になるように書く

 

これらのポイントを念頭において、楷書フォントの「正方形なシルエット※」を、少し変えてみてください。ご自分の感性で「この線はもっと長~く書いてみよう」とか「この線は短く書いて、全体をもっと扁平にしよう」といった具合に、実験的に変化を加えてみてください。そうすることで、正方形のシルエットのときにはなかった、メリハリの効いた美しい字にすることができます。

※正方形なシルエット:正方形の箱に隙間なく、逆に飛び出しもなく、ピッタリ収まるような形の字。画数の多い字ほどこの正方形感が強くなるようです。

 

しばらくやっているうちに、どこを長くすれば魅力的になるかのコツがつかめてきます。そして、コツがつかめれば、あらゆる文字を美しく書く能力へと波及していくので、どんどん楽しくなっていくことと思います。

 

具体的に、「橋」の字を例にしてみます。

 

・木の横画を左へ長くしてみました。

・右払いを長くしてみました。

・その下の部分を少し扁平になるようにしてみました。

 

フォントそのままでも十分優れたお手本になりますが、さらにワンランク上の美しさを目指すならば、こういった「字形の調整」が重要になります。難しくありません。要するに、正方形っぽさを無くすということです。メリハリのある骨格にすれば良いのです。是非、挑戦してみてください。

 

 

【その他の字の例】

「月」:もともと正方形ではないものの、正方形になろうという力が働いているので、横幅がやや広すぎます。もう少しスリムにすべき字です。

 

「二」:二つの棒が離れすぎています。もう少し扁平にすべきです。

2.「口」「日」「目」「月」「田」といったパーツの左上は隙間をあける

フォントはなぜかきっちり隙間なくデザインされているものが多いですが、手書き文字においては少し隙間を開けて書くのが良いです。ですので、フォントの手本に隙間がなければ、隙間が開いているものとして真似るようにしてください。

 

〇は隙間をあけるべき場所
〇は隙間をあけるべき場所

おわりに

習字、字の練習は、楷書フォントを使って簡単に始めることができます。難しく構える必要はなく、自分の好きな言葉などを楷書フォントで出してそれを手本にして書けばいいのです。筆文字なら大きくプリントアウトすればいいですし、ペン字なら普段手書きする大きさにプリントアウトすればいいわけです。なぞり書きの練習をなさるなら薄い色で印刷すればよいかと思います。市販のお手本で練習するのと違い、自分の好きな文言で練習できるので、モチベーションが上がると思います。

 

字の練習なんてする時間はないという人が多いかもしれませんが、練習した分だけ字は確実に美しくなります。そしてコツをつかみ始めると、加速度的に上達していくのでとても楽しくなると思います。

 

参考にしていただければ幸いです。